アルデンテなネット社会に

アルデンテなネット社会に

2018年の漢字は「災」と発表された。
台風、豪雨、地震と日本列島は相次ぐ自然災害に見舞われた。
海外に住む私たちもその一報をニュースで知るたびに心を痛め、
友人や家族の安否に不安を募られた一年だった。

多くの日本人は地震大国ということもあり、
普段から自然災害に備えてはいるが、
初めて体験する甚大な災害の前に,
個々、自治体、国が更なる「防災」の必要性を感じ、
その対策に取り組むこととなるだろう。

一方、ここ数年SNSの進化と普及で発生する
ネット上での災いに対しては
防災対策が追い付いていないのが現状だ。
個人レベルで世界に物事を発信できるようになった。
コミュニケーションが容易となったがために、
「差別」「偏見」「誤解を招く表現」を安易にさらけ出してしまい、
友人や世間からバッシングを受ける「炎上」が
たびたびニュースを賑わせる。

SNS以前は自分の意見を言うとき、
誰がそれを聞いているのか、どの立場から言うのかと、
慎重に言葉を選んでいたため、
たとえ意見の相違で軋轢が起きたとしても
当事者同士で解決できたのではないか。
言いたい相手がいるからこそ、
意見を言う覚悟があり、
理解してもらおうとする努力が存在した。

この容易なSNSツールで炎上してしまった人々は、
突き詰められれば「そんなつもりではなかった」と釈明する。
そこに一本筋の通った、
芯のある「意見」や「覚悟」や「努力」がなかったからではないのか。

一昔前は、一律に太くて、
柔らかく茹でられたスパゲッティーが
日本人の食べるイタリアのパスタ料理だった。
そのうち、本当の味が伝わり、
いまでは細麺も太麺もショートも様々なパスタが
ちょうどいい茹で具合の「アルデンテ」で提供される。

アルデンテ ―「芯が残った」茹で具合。

何でもが横行し、炎上があちこちで起きる
あやふやでふにゃふにゃなSNSコミュニティーが
「芯のある」アルデンテを求め、
成熟したネット社会となることに期待する。

企友会理事

シェア美緒

By |2019-01-30T07:05:08+00:00December 31st, 2018|Column|0 Comments

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