年次総会に続いて、企友会とバンクーバービジネス懇話会共催の新春懇談会が開催されました。
年次総会に続いて本郷さんにレポートしていただきましょう。
年次総会の後、軽食が用意され、企友会、懇話会共同での名刺交換会が行われました。皆さんコーヒーやサンドイッチを片手に、立食形式での交流会です。バンクーバーに来たばかりの新しい会員の方から長年の会員の方まで、多くの方々が一堂に会しての活発なネットワーキングの場となりました。
続いては、懇話会との共同開催での新春懇談会です。
はじめに、在バンクーバー日本国総領事館・羽鳥隆総領事よりご講演をいただきました。
羽鳥総領事は昨年の11月にバンクーバーにご着任される前は韓国のソウルにいらっしゃったそうで、日本人なら誰でも気になる「最近の朝鮮半島情勢」についてお話をしていただきました。限られた時間の中ながら、ここに書き尽くせないほどの非常に濃い内容のお話でした。
特に強く興味を引かれたのは、羽鳥総領事が韓国について語られたことです。ニュースでも日々取り沙汰されている慰安婦問題ですが、その問題の根底にはお互いの歴史認識の違い、ひいては民族間でのメンタリティの違いがあるということ。その違いをお互い認識して、もっと情報を共有すべきであるということ。実際の問題は「私が関与し得なかった過去」ではなく、今を生きている人の感情から発生しているのだ、ということに改めて気づかされました。
次に、懇話会・池田尚副会長より「資源取引を通じた日加関係」と題してご講演いただきました。懇話会の池田尚副会長は、カナダ三菱商事の社長でもいらっしゃいます。今回のご講演では、資源国としてのカナダ及びその主要資源について、また、新しい資源としてのスタートアップ事業やカナダ三菱商事が出資されている新事業について、最先端の情報を交えてお話をいただきました。
カナダは膨大な資源を持つ資源国というわけではないものの、輸送経路に危険地帯を含まないという意味で、日本にとって貴重な資源国だそうです。意外だった主要資源は、塩化カリウム。大昔に植物の肥料が「窒素・リン酸・カリ」であると習った覚えがありますが、日本では、この「カリ」=塩化カリウムの70%がカナダからの輸入であるとのこと。日本にいたときは知らないところでお世話になっていたのですね。
また、カナダ三菱商事が出資されている、採掘×テックのスタートアップ「マインセンス」、シェールガスの「LNGカナダ」、LPガスの「アストモスエネルギー」のご紹介もありました。「LNGカナダ」で使用されるシェールガス運搬のためのパイプラインはなんと670kmにも及ぶそうです!BC州の一大プロジェクトでもあり、大きな期待が寄せられます。
最後に質疑応答の時間が設けられたのですが、非常に多くの質問が飛び交い、ご講演に対する参加者の関心の高さがうかがえました。ご講演者のお二人がお互いにご質問される場面もありました。閉会時間まで密度100%の充実した懇談会であったと思います。私も普段はなかなか聞く機会のないようなお話を聞くことができ、たいへん貴重な体験となりました。
というわけでスタートを切った2019年の企友会ですが、今年も盛り沢山になりそうです!
会員の皆様とまたイベントでお会いできることを楽しみにしています。