コロナ禍の今、生活様式だけでなく、これまでの価値観、常識、行動が変化しつつある。

公衆衛生上のリスクを軽減するための行動(手洗い・うがい・除菌・殺菌・ソーシャルディスタンス)が徹底され、できる限りの範囲でのリモートワークが導入され、消費活動もオンラインのプラットフォームへと移行されている。

未曾有のウイルスの出現で選択の余地なく、このような変化が急速に広がったことに関して、IT社会が進む中、遅かれ早かれ対応する必要があったことを考えると、変化も前向きに受け入れることができる。むしろ、古臭い言葉だが「ピンチはチャンス」と新ビジネスも次々と生まれている。ただもちろん、この変化に物理的に対応が困難なビジネス形態でいる場合は、変化に前向きな言葉を発することが難しいのは容易に察しがつく。

ビジネス外での人との繋がり方、接し方への変化についてはどうだろうか。数年前からSNSなどのオンラインプラットフォームが出会いや交流の場として大きな役割を担っているが、コロナ禍で更にそこに費やす時間は増えている。婚活サイトのように、自分の趣味や条件に合わせて簡単に人と知り合える、同時にまた簡単に関係を切ることができる利点(?)がある一方、そこに重きを置けば、これも古臭い言葉だが「運命の相手」と本屋でばったりという出会いはドラマの中だけの話となり、ますます現実から遠のいていく。

コロナ影響下で自分はどのような行動を選択したらよいものか。ビジネスの視点は100%変えるべきか、交流はもっと積極的にSNSを活用すべきか。そしてその「正解」がどこにあるのか、または「良い塩梅」はあるのか、と選択すべき道について考えるが、「正解」も「良い塩梅」も今のところは分からない。少し自分に悩む猶予を与えよう。めまぐるしく変わる時代に取り残されまいと必死に生きる生活に、新型コロナウイルスの影響までもが加わったのだから。

ただ今は、よくカップルの別れたい方が、別れたくない相手に「短いスパンで考えれば今は辛いと思うけど、ながーい目でみればきっと(別れを)良かったと思う日が来る」と別れを切り出す時にも使う英語のフレーズのように、「いつか時間が経てばどんな行動を取り、選択してきた道も良かったと思えるはず」と前向きに捉えたい。

企友会理事 シェア美緒

Share This Post!