2021年最後となる第4回ばんてらは、帰省やバケーション中の方にも配慮し、オンライン形式にて開催しました。今回のテーマは「Great Reset」。持続可能な社会の実現のために何が必要かを企業・社会・個人レベルからディスカッションをしました。
「地球温暖化をくい止めることは不可能ではないか?」とつい頭のどこかで考えてしまいませんか。そう思ってしまう理由の一つとして、市民レベルで温暖化を解決する具体的な指標がわからないという理由があります。アメリカの環境活動家・起業家であるポール・ホーケンは地球温暖化を逆転させる「ドロータウン」を実現させるために100の解決策を特定、評価、モデル化し2020年~2050年までの30年間でどれくらいの効果を上げられるかを示しました。今回のばんてらではこの中から7個の解決策をピックアップして話し合いを行いました。
女性の教育機会と家族計画がドローダウンにつながるという見方があります。教育年数が12年の女性と0年の女性では子供の差が4~5人に及ぶという統計があります。女性の教育機会を増やすことで、子供の健康状態を向上させつついきすぎた人口を抑えるというの見方です。しかし、話し合いのなかでは子供を産むなという考え方には反対で人権の尊重も含めて取り組む必要があるとの意見がでました。またアフリカの国には、子供が何人いるかが女性にとって重要という文化的背景もあり、文化や人権の観点から精査しつつ取り組む必要があるようです。
食料破棄の削減も地球温暖化を逆転させるための有効な手段です。現在、食料生産量の三分の一は廃棄されており、食料廃棄のみで世界第三位の温室効果ガス排出国になってしまいます。企業レベルとしては、スーパーマーケットのフードロスの削減の話が上がりました。フードシェアリングアプリのTABETEのように廃棄する前の食料品を安い値段でシェアするなど、フートロス削減に向けた取り組みを企業視点で行うことが重要です。国レベルとして先進国から発展途上国に食料品を送るという考え方もありましたが、人道的ではあるが衛生面や環境面としては問題があるとの意見がでました。
個人レベルでできる取り組みとして家庭の節水やLED照明、自転車の利用などが挙げられたましたが、その中でも「冷媒」は最も重要です。冷凍庫に物を入れすぎたり、エアコンの使い過ぎを抑えるとこから初めることで「ドローダウン」に大きく近づくことができます。
今年のばんてらは、SDGsをテーマに掲げ様々な視点から学んできました。企友会の様々なバッググラウンドをもつ方々と知識をシェアし取り組むことで新たな見方を発見することができ、非常に充実したものとなりました。来年からのばんてらはまた新たなテーマを掲げより一層深いディスカッションを行います。ぜひ皆さまご参加ください。
企友会ボランティア:松島海斗