第四回のばんてらは「プロから学ぶカナダでの人間関係強化、コミュニケーションとそのコツ」をテーマに特別講演を行いました。今回特別講演をしてくださったのは、TEDトークのローカル版TED×StanleyParkを長く主導してきたRoger Killen氏、そしてInternetNextstepの創立者であり日本の事情にも詳しいDennis Wilson氏。大変貴重なお話をしていただき、あっという間の1時間半でした。
まずは、カナダ人とコミュニケーションを取るうえで一番重要なことについてです。カナダで生活をしていると、私たち日本人のリアクションは薄いと感じることが多々あります。冒頭でお二人が強調していたことは、ポーカーフェイスにならないこと。ポーカーフェイスだと、話がつまらないのかな、ちゃんと聞いているのかなという印象を相手に与えてしまいます。意識してリアクションを返すことは、伝わっているということを示すためにもコミュニケーションを取るうえで欠かせないということを改めて実感しました。
次はプレゼンテーションをするうえで重要なことについてです。意識するべきことは、できる限りシンプルな言葉を使うこと。私たちは普段友達と話すときはシンプルな言葉を使って話すことが多いのに、プレゼンになると難しい言葉を使ってしまいがちです。シンプルな言葉、そして言葉の長さに気を付けることで、一気にプレゼンが伝わりやすくなります。実際今回の講演会も英語で行われましたが、お二人のお話はシンプルで、英語初心者の方でも理解できる部分が多かったのではないでしょうか。
また、話すスピード、声のトーンによってもプレゼンの質が大きく変わります。意識するべきことは、大きな声ではっきりと話すこと。カナダでは大きな声で話すことが必ずしも怒っていることを意味するというわけではありません。また、笑顔も私はフレンドリーですよとアピールするためにも欠かせません。
日本人が苦手とするボディーランゲージについてもお話していただきました。プレゼンをするときは原稿を読まないことが基本です。常にアイコンタクトを失わないこと、また話す相手が複数いる場合はそれぞれを見ること。こうすることで、聞き手をプレゼンに巻き込むことができます。
講義のあとには、参加者のうち二名が三分間プレゼンテーションを実際に行いました。実際にお二人からアドバイスもいただき、貴重な経験になったのではないでしょうか。質疑応答の時間には、たくさんの質問が出ました。また、講演後も多くの参加者がお二人に話しかけに行っていて、参加者の皆さんが有意義な時間を過ごせたことが伝わってきました。
プレゼンというと、苦手だ、緊張してしまうというネガティブなイメージを持ってしまう人が多いと思います。しかし今回の講演で紹介されていたコツはどれもシンプルで、自分も取り入れることができそうだと思うものばかりでした。プレゼンの質は、ちょっとしたコツでグンと上がるのかもしれません。また、カナダにおけるコミュニケーションでもプレゼンでも一番重要なことは、大きなリアクションとエネルギーです。あなたの話を聞いているよ、私はこれを伝えたいよという気持ちを表現しようとすることが、何よりも相手に響くのだと思います。
最後になりましたが、ボランティアで貴重な講演をしてくださったお二人の講師、イベントを共催し、会場の提供に協力くださった日本カナダ商工会議所の皆様、企友会と共に素敵な講演会を作り上げていただきありがとうございました。そして参加いただいた会員の皆様もイベントを盛り上げていただきありがとうございました。今後も一緒に日系コミュニティを盛り上げていきましょう。
企友会ボランティア
木村泉紀