【理事コラム】次にバンクーバーで目指すこと「日系コミュニティの一体化」|岡本裕明
kiyukai Admin2024-07-23T16:04:54-07:00人生を漫然と過ごすのと日々をしっかり歩むのでは人生の終末に差し掛かった際の満足感が違うと思っている。一度しかない人生を自分なりに表現することを「人生哲学のアート」と称している。これを勘違いして「そんなに稼いでどうするのですか?」と言う人がいるのだが、個人的にはお金に翻弄されることは皆無。理由は生活スタイルや価値観は大学生や新入社員だった頃とまるで変わらないからだ。大学生の時のコンパは一人3000円、養老乃瀧というコテコテの居酒屋チェーンも一人2500円もあれば適当に飲んで食べられたあの時代の物価水準は今でもカラダにしみ込んでいる。さすが、カナダの物価高では一人50㌦になるが、そんなものだ。 それよりも人生哲学とは知識量と人間力がバックボーンだと考えている。歳をとっても「ガキの使い」では話にならない。賢人に一歩でも近づく努力が私の中では最優先課題だ。 ではお前は企友会の会長を今年の1月で辞めてそのあと何をする気なのか、と思っている人もいるかもしれない。答えは明快だ。コミュニティ結束のための活動である。 私が32年バンクーバーにいて苦心していることがある。それはコミュニティが一体化しないことだ。もちろん他のエスニックのコミュニティが一つに固まっているとは言わない。ただ結束力は強い。もう一つはコミュニティが内向きである点が気になっている。悪く言えば同好会系ばかりで他流試合をする体育会系を避ける傾向が見受けられる。 ご承知の通りカナダはモザイク社会と言われる。モザイクは小さな四角が並んだ状態だが、モザイク全部が一体化し、多文化コミュニティを形成するにはモザイク同士の結束力が必要となる。これが日系コミュニティにはどうも十分ではないように感じるのだ。 この時期は政治家や要人に会いやすい時期で閣僚や議員と顔を合わせる機会が多い。また様々な外部のイベントに行けばコミュニティテーブルがあり、概ねそこで他のエスニックの人たちと席が一緒になり双方の信頼関係を作り上げることができる。この活動は既にもう4-5年やっていて最近はそのギアを少し上げたところだ。 政治家や要人はモザイク社会の接着導入剤のようなもの。あとは我々の気持ちがどう動くかだ。 10月19日に6大コミュニティの合同イベント「Celebration of Newcomers」が日系プレイスで行われる。私は日系グループのリーダーで会の運営を支援する。このイベントは若い人たちをターゲットにしたもの。私の様な年齢の者が出る幕ではないが、日系が一歩外に踏み出すため背中を押す係としてお手伝いしたいと考えている。 岡本裕明