2024年12月27日(水)、企友会主催で今年度最後の企友会MBAがバンクーバーダウンタウンのWeWorkにて開催されました。今回のイベントはハイブリッド形式で実施され、13名以上の方々にご参加いただきました。ゲストスピーカーには、会計事務所BUSINESS360.CPA CORP.のシニアアカウンタントであり、カナダ公認会計士(CPA)でもある吉良聡恵さんをお迎えしました。

企友会MBAは、年に4回、バンクーバーでビジネスを展開する方々を対象に、地域のビジネス事情を深く理解するための講演シリーズです。長年にわたり豊富な知識と経験を持つ専門家を招き、特定のテーマについての解説を行うことで、参加者が実務に役立つ知識を得られる場を提供しています。

今回のテーマは「スモールビジネスに焦点を当てたCanadian Corporate Tax Returnの基礎や留意点」で、吉良さんが2部構成で詳しく解説してくださいました。

第一部では、税務上のスモールビジネスの定義やCCPC(Canadian-Controlled Private Corporation)の特徴、法人化のメリット・デメリット、さらに法人税申告書の仕組みについて詳しく説明がありました。また、収益や費用、損益を示す損益計算書や、資産・負債・資本を整理する貸借対照表についても基礎的な解説が行われ、参加者がカナダで事業を運営する上で欠かせない知識を得られる内容となっていました。

第二部では、経費処理に重点が置かれ、食事費や車両費、株主貸付、自宅利用経費の具体的な処理方法が紹介されました。特に、食事費の控除割合(通常50%、特定条件下で100%控除可能)や、車両費の事業利用部分の計算方法など、実務に即した具体例を交えた説明が好評でした。また、CRA(Canada Revenue Agency)の監査プロセスに関する注意点や、税務調査に備えるための書類整理の重要性についても詳しく触れられました。書類の保存期間や保管方法など、実務で直ちに役立つ具体的なアドバイスも数多く提供されました。

講演の最後には質疑応答の時間が設けられ、参加者からはTax Returnに関する具体的な疑問や、日々の税務処理における悩みについて多くの質問が寄せられました。吉良さんは一つ一つの質問に丁寧に答え、参加者にとって非常に実り多い時間となりました。

私は企友会理事ボランティアとして参加しましたが、Tax Returnの知識はあまりなかったものの、今回の講演を通じて沢山の新しい知識を学ぶことができました。このような機会を通じて、自身のスキルを高めると同時に、地域のビジネスコミュニティに貢献できることに喜びを感じました。

企友会理事ボランティア 山切果梨

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