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理事コラム:ウェブサイトが“あるだけ”になっていませんか? バンクーバーの日系ビジネスに今必要な、Webと生成AIの話|鎌田航平
バンクーバーでビジネスをしていると、よく耳にする言葉があります。 「ウェブサイトはあるけれど、問い合わせが増えない」 「SNSだけで十分な気もする」 「生成AIで記事を書いているが、このままでいいのか不安」
どれも、非常に切実で自然な悩みです。日々の業務に追われる中で、情報やツールが溢れ、「正解らしきもの」がいくらでも見つかる時代だからこそ、迷うのは当然です。
しかし最近、そこに「静かな損失」が生まれているのを強く感じます。派手な失敗ではないからこそ気づきにくい。けれど、生成AIへの過度な依存や、ウェブサイト設計の知識不足によって、確実に機会を取りこぼしている。今日はそのお話をさせていただきます。最後に、2月に開催する企友会セミナーのご案内もございます。
生成AIが普及して生まれた「ブランドの希薄化」という落とし穴
ChatGPTなどの生成AIにより、文章作成のハードルは劇的に下がりました。下書き、整理、翻訳……使い方次第で仕事が加速するのは間違いありません。
しかし、ビジネス利用においては大きな落とし穴があります。 安易に頼りすぎると、会社の「声(独自性)」が薄まっていくのです。誰が書いても似た言い回し、無難な結論、抽象的な表現。整ってはいるけれど、心が動かない。結果として「その会社らしさ」が削られ、ブランドの信用度は静かに減っていきます。
さらに、そうした「AI任せのコンテンツ」をウェブサイトに載せ続けると、Googleなどの検索エンジンからの評価も下がり、結果として検索結果に表示されにくくなるリスクもあります。 今求められているのは、AIが出す「70点の回答」を、いかにして「120点〜150点」に引き上げるかという視点です。
AIに「考えさせない」。AIを「使って考える」。
生成AIを使いこなせる人とそうでない人の決定的な違いは、AIに「考えさせる」のではなく、AIを「使って考える」という姿勢にあります。 あなたが「上司(方針決定)」となり、AIを「優秀な部下(作業補助)」として扱う。この関係性が構築できて初めて、AIは強力な武器になります。
上司であるあなたが「誰に、何を、なぜ伝えるか」を決めていなければ、部下(AI)は迷走します。 そもそも、私たちが「AI」と呼んでいるものは、昨日今日生まれた魔法ではありません。10年以上前からAmazonのレコメンド機能などで活用されてきた技術の延長線上にあります。今起きているのは「生成AI」の登場による「AIの民主化」にすぎません。
また、現代のビジネス設計において、AI以前に既存のSaaS(ソフトウェア・サービス)の活用が最適解であるケースも多々あります。 大切なのはツールの性能ではなく、人間側の「設計力」です。目的が曖昧なままでは、どれほど優れたAIでも成果は出せません。
ウェブサイトで一番大事なのは「設計」。デザインは二の次
もうひとつ、バンクーバーでよく見る“もったいない状態”があります。それは「ウェブサイトを名刺としてしか使っていない」ケースです。 マーケティング的な設計がなされず、ただ「存在しているだけ」のサイト。もちろん名刺代わりとしての価値はありますが、今の時代、それではビジネスチャンスを活かしきれていません。
正しく設計されたウェブサイトは、24時間36時日休みなく働き続ける「最強の営業マン」になります。 ポイントはシンプルです。 「誰に、何を伝え、その結果として何をしてほしいか(CTA)」 これさえ明確になれば、デザイン、文章、導線、必要な情報量は自ずと決まります。
「問い合わせが増えない」「費用対効果が見えない」という悩みの原因は、その多くがこの「役割の未定義」にあります。ここを固めた上で、初めてSEO(検索エンジン最適化)を意識した技術的なコーディングが活きてくるのです。
「$1,000~$3,000」でウェブサイトは作れるとも思ってませんか?
制作予算についても、率直にお話しさせてください。 私の実感として、バンクーバーでも日本でも「ウェブサイトは$1,000〜$3,000程度で作れる」と考えている方が非常に多いと感じます。
もちろん、簡易的なページであればその予算でも可能かもしれません。しかし、もしあなたが「自社サイトでモノを売りたい」「良質な問い合わせを獲得したい」「サービスを深く理解してほしい」と願うなら、その金額設定はあまりにも過小評価です。
本気でビジネスを加速させる「資産」としてのウェブサイトを構築するには、それ相応の戦略と技術が必要です。この認識の乖離が、結果として「安物買いの銭失い」を招いている現状に、私は強い危機感を抱いています。
企友会セミナーのご案内:生成AI時代のウェブとビジネス|成果は「見た目」ではなく「設計」で決まる
生成AIを少し触ったことはある。でも「これを仕事でそのまま使って大丈夫?」と感じたことはありませんか?本セミナーでは、AIの専門知識を学ぶのではなく、“失敗しない判断基準”を持ち帰ることをゴールにします。
前半は、Webサイトの価値は「見た目」ではなく設計(役割)で決まるという視点から、誰に/何を/どうしてほしいか(CTA)を1行で定義し、信頼要素・SEOの技術要件まで含めて「成果を出すWebの考え方」を整理します。
後半は、AIの出力は平均的に70点になりやすい前提で、そのままコピペするとブランドが薄くなる理由と、70点を120点に引き上げるために人が足すべき要素(顧客文脈・制約・実績・最後の一文)を、実演も交えて分かりやすく解説します。最後に、参加者それぞれが自社のAIルールを1行で定義し、明日からの運用に落とし込める形で持ち帰ります。
開催概要
- 日時:2026年2月25日(水) 18:00~19:30
- 場所:WeWork (Bentall II), 555 Burrard Street, Vancouver
- 形式:インパーソンとオンラインのハイブリッド
- 参加費:会員 無料、非会員 $20
- 定員:インパーソンは先着15名限定。15名に達し次第それ以降はオンライン
- お申し込み: こちらのリンクから
最後に:一度、立ち止まって“整理”しませんか
ウェブもAIも、ただ手数を増やせば勝てる世界ではありません。焦って闇雲に動くより、まず「方針」と「役割」を整理すること。それが結果として、最短ルートになります。
バンクーバーで挑戦し続ける皆さんの強みが、正しく伝わり、選ばれる存在になるために。当日は現場視点で分かりやすくお伝えします。
ライター情報
鎌田航平(企友会理事)
2022年にカナダへ渡航し、フリーランスとしてIT・マーケティングに従事。ウェブ制作やリニューアル、SEOを軸とした集客設計、AIソリューション導入支援まで幅広く手掛けてきました。これまで、日系企業やローカル企業の双方と連携し、 「日本とカナダの架け橋となるマーケティング支援」 を意識して活動してきました。2025年にはバンクーバーでPio Creative Marketing Inc.を創業し、日本とカナダをつなぐ実践的なマーケティング支援を展開しています。
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