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AIの普及が人間の思考力に与える影響とこれからの向き合い方
今回は、企友会会員の岡本裕明さんが、急速に普及するAIと私たちの付き合い方や、人間の思考力に与える影響について綴ってくださいました。
IT化による「記憶」のアウトソーシング
世の中AI真っ盛り。猫も杓子も、と言っては怒られるが、90年代にウィンドウズ95が発売になり、コンピューター時代が到来し、若きも老いもワードやエクセルに向かうあの時代を思い出す。30年近く前の話でこれをお読みの方には生まれた時からコンピューターエイジでスマホ当たり前の中で育っている方もいらっしゃるので私のような声は「お前、何、言ってんねん」になるのかもしれない。
私が長く執筆するブログで15年ぐらい前に「携帯メッセージを使いすぎるとバカになる」ということを書き、その後も時折その話題に触れている。なぜバカになるかというと当時の医学の研究でSNSのような瞬間的反動のメッセージのやり取りは脳の思考回路まで到達せず、条件反射のようなやり取りになるためより動物的な行動になりやすいという研究をベースに述べたものだ。
現代のIT化は人間が本来持っている能力の一つである記憶媒体としての機能はスマホやPCにお任せしている。例えば家族や会社の電話番号や住所を空でいえるか、といえばできない人が続出している。スマホを電話番号などの記憶媒体として活用しているからだ。私は学生時代の彼女の家の電話番号を今でも空でいえるぞ!
思考能力を使わない「AI至上主義」の落とし穴
さて、ここでAIが飛び出してきた。これはもっと深刻である。なぜなら考えることを求めないからだ。多くの人は「わからないことがあればチャッピーに聞こう」であろう。おまけに私はスマホでAIにアクセスする場合、音声入力をしている。いちいちタイプするのが面倒だし、早さが全然違う。とすれば入力の手間すら省いているわけだ。
これは人間の思考能力をほぼ使わないで生きていける、いや、仕事すらできるチョーベンリな時代になったと思っている人が多いと思うが、実はそれで皆さんは廃人に向かっていると思ったほうが良い。
理由はAIはビッグデータをもとにした過去の踏襲でしかないのがポイントだからだ。よく「日本の役所はだめだな、前例主義で何ら改善がないじゃないか」という声を聞くが、AI至上主義になると前例主義になりやすく、革新的アイディアを提示しにくくなるのだ。
自分の頭で考え、トレーニングし続ける重要性
よって「馬鹿と鋏は使いよう」というようにAIも使い方ひとつで人間生活を飛躍的に向上させることもできるし、ゾンビのような人間を無限に生み出すリスクも抱えているといえる。私は将来的に若年性の認知症の人が増える可能性を見ている。認知症は明白な発症をするのに20年ぐらいかかるのでかかってから気がついてももう遅いのだ。
例えば私は毎日ブログを書く際にAIは一切使わない。理由は文章に独自性がなくなるからだ。もちろん調べ物には使うが、文章自体は私が自分で毎日小一時間かけて作っている。それは現状を分析する力、そこから何が起きるかを想像する力、その対応策を考える力を自らトレーニングし続けるためともいえる。
AI時代を手放しで喜べない理由
AIの専門家と先日、話をした。氏いわく、「我々のように知識を積み上げたうえでAIが生まれたならばAIとの付き合い方もわかるし、AIに使われないようにすることも可能だけど、今の若い方は業務でゼロから積み上げる部分がほぼなく、突如AIを介した業務をするので仕事そのものを根本理解できず、AI業務能力以上にならないから人間が不要になってしまうだろう」と述べている。
我々はAI時代を手放しで喜んではいられないのである。
ライター情報
岡本 裕明(企友会 理事)
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